パソコン作業(情報機器作業)と腰痛予防は、労働衛生(有害業務以外)の定番です。 どちらも法令ではなく厚生労働省のガイドライン・指針なので、数字と「望ましい」の内容をそのまま問われます。 この記事では、厚生労働省が公表している本文(情報機器作業ガイドラインは令和3年12月の一部改正後)をもとに要点を整理します。
情報機器作業ガイドラインの頻出数値
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 照度 | ディスプレイを用いる場合の書類上とキーボード上の照度は300ルクス以上 |
| 一連続作業時間 | 1時間を超えないようにする |
| 作業休止時間 | 次の連続作業までに10分〜15分 |
| 小休止 | 一連続作業時間内に1回〜2回程度(小休止は1分〜2分程度の休止) |
| 視距離 | おおむね40cm以上 |
| ディスプレイの高さ | 画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下 |
| 文字の大きさ | 文字高さがおおむね3mm以上が望ましい |
| 作業姿勢 | 椅子に深く腰掛けて背もたれに背を十分に当て、履き物の足裏全体が床に接した姿勢が基本。時折立位を交えるのが望ましい |
覚え方のコツ
- 「1時間やったら10〜15分休む、途中で1〜2回ひと息」
- 「画面から40cm、上端は目の高さかやや下」。見上げる配置は首や目の負担になるので誤り
- 照度は「手元(書類・キーボード)は300ルクス以上」。事務所則の「一般的な事務作業300ルクス以上」と同じ数字です
作業区分と健康診断
ガイドラインは、作業を次の2つに区分して健康管理を行います。区分は、産業医などの意見を聴きながら衛生委員会等で決めます。
| 作業区分 | 健康診断の対象 |
|---|---|
| 作業時間または作業内容に相当程度拘束性があると考えられるもの | 全ての者が対象 |
| 上記以外のもの | 自覚症状を訴える者のみが対象 |
健康診断は、配置前と、配置後1年以内ごとに1回の定期に行います。 項目は業務歴・既往歴・自覚症状の調査、視力などの眼科学的検査、上肢の運動機能などの筋骨格系の検査です。 一般定期健康診断とあわせて実施して差し支えないとされています。
腰痛予防対策指針の頻出数値
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 人力のみで取り扱う重量(満18歳以上の男性) | 体重のおおむね40%以下となるよう努める |
| 満18歳以上の女性 | 男性が取り扱える重量の60%位まで |
| 上の重量を超える場合 | 適切な姿勢で、身長差の少ない労働者2人以上で行わせるよう努める |
| 腰痛の健康診断 | 重量物取扱い作業や介護・看護作業などに常時従事する労働者に、配置の際と6月以内ごとに1回 |
| 立ち作業の小休止 | おおむね1時間につき1〜2回程度 |
| 腰部保護ベルト | 一律に使用させず、労働者ごとに効果を確認してから使用の適否を判断 |
持ち上げ方のポイント
- 荷物にできるだけ身体を近づけ、重心を低くする
- 床から持ち上げるときは、片足を少し前に出し、膝を曲げて腰を十分に下ろし、膝を伸ばして立ち上がる
- 腰をかがめる作業は、適切な高さの作業台などで排除する
- 荷物を持ったら、背を伸ばし腰のひねりを少なくする
覚え方のコツ
- 重量は「男は体重の4割、女はその6割」。「4・6」の順番を逆にしたひっかけに注意
- 腰痛の健診は「配置前と6月ごと」。情報機器作業の健診(1年ごと)と取り違えない
- 腰部保護ベルトは「全員に一律」が誤りの定番
2つの指針を比べる
| 比較項目 | 情報機器作業 | 腰痛予防 |
|---|---|---|
| 健康診断の頻度 | 配置前と1年以内ごと | 配置前と6月以内ごと |
| 休止の目安 | 1時間以内の連続作業ごとに10〜15分 | 立ち作業は1時間に1〜2回程度の小休止 |
| 数字のキーワード | 300ルクス・40cm・1時間 | 体重の40%・その60%・6月 |
まとめ
- 情報機器作業は「300ルクス・40cm・1時間ごとに10〜15分休止」
- 健診は拘束性のある作業は全員、それ以外は自覚症状のある人だけ、頻度は1年
- 腰痛予防は「体重の40%・女性はその60%・健診は6月ごと」
ガイドラインの問題は「望ましい」とされる内容を少しずつ言い換えて誤りを作るのが特徴です。数字だけでなく「誰が対象か」まで意識して演習しましょう。