労働生理は1問10点で、第一種の範囲の中でも配点の高い範囲です。 法令のような改正がなく、一度理解すれば得点が安定するので、合計点の貯金を作るのに向いています。 この記事では、繰り返し問われる「血液」「神経」「ホルモン」を対応表で整理します。
血液の成分と働き
血液は、液体成分の**血漿(約55%)**と、有形成分(約45%)に分けられます。
| 成分 | 主な働き | 押さえるポイント |
|---|---|---|
| 赤血球 | 酸素を運ぶ | ヘモグロビンが酸素と結合する。寿命は約120日。骨髄でつくられる |
| 白血球(好中球) | 細菌などを取り込んで処理する(食作用) | 白血球の中で最も数が多い |
| 白血球(リンパ球) | 免疫 | B細胞は抗体をつくる(体液性免疫)、T細胞は細胞性免疫を担う |
| 血小板 | 止血 | 出血時に集まって傷口をふさぐ |
| 血漿 | 栄養素・老廃物・ホルモンなどを運ぶ | たんぱく質のアルブミン、グロブリン、フィブリノーゲンを含む |
取り違えやすい3つのペア
- 凝固と凝集:凝固は、血漿中のフィブリノーゲン(線維素原)がフィブリン(線維素)に変わって血液が固まること。凝集は、赤血球の凝集原と、別の血液型の血清中の凝集素が反応して赤血球が集まること。別の現象です
- 血漿と血清:血清は、血漿からフィブリノーゲンなどの凝固因子を除いたもの
- ヘマトクリット:血液の容積に占める赤血球の容積の割合。一般に男性の方が女性より高い
神経系の構造
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 中枢神経系 | 脳と脊髄 |
| 末梢神経系(体性神経) | 運動神経・感覚神経。意思による運動や感覚に関わる |
| 末梢神経系(自律神経) | 交感神経・副交感神経。内臓や血管などを意思と関係なく調整する |
大脳は、外側の皮質が灰白質(神経細胞が集まる)、内側の髄質が白質(神経線維が通る)です。 脊髄はこれが逆で、内側が灰白質、外側が白質になっています。
| 部位 | 主な働き |
|---|---|
| 大脳皮質 | 運動・感覚・思考・記憶などの中枢 |
| 小脳 | 運動の調整、身体の平衡を保つ |
| 延髄 | 呼吸・循環の中枢 |
| 視床下部 | 体温調節・自律神経・内分泌の調整の中枢 |
呼吸中枢は延髄にあり、主に血液中の二酸化炭素の増加に反応して呼吸を深く速くします。
交感神経と副交感神経
| 器官 | 交感神経が働くと | 副交感神経が働くと |
|---|---|---|
| 心臓 | 心拍数が増える | 心拍数が減る |
| 瞳孔 | 散大する | 縮小する |
| 気管支 | 拡張する | 収縮する |
| 消化管の運動 | 抑制される | 促進される |
交感神経は「闘う・逃げる」ときの神経、副交感神経は「休む・消化する」ときの神経と覚えると、 表を丸暗記しなくても一つずつ判断できます。消化は副交感神経で促進される点が特によく問われます。
ホルモンの分泌器官と働き
| ホルモン | 分泌器官 | 主な働き |
|---|---|---|
| インスリン | 膵臓(ランゲルハンス島のβ細胞) | 血糖量を下げる |
| グルカゴン | 膵臓(ランゲルハンス島のα細胞) | 血糖量を上げる |
| アドレナリン | 副腎髄質 | 血糖量を上げる、心拍数を増やす |
| コルチゾール | 副腎皮質 | 血糖量を上げる |
| アルドステロン | 副腎皮質 | 体液中の塩類(ナトリウムなど)のバランスを調整する |
| パラソルモン | 副甲状腺 | 血液中のカルシウム量を増やす |
| メラトニン | 松果体 | 睡眠と覚醒のリズムを調整する |
| ガストリン | 胃 | 胃酸の分泌を促す |
| セクレチン | 十二指腸 | 膵液などの消化液の分泌を促す |
覚え方のコツ
- 血糖を下げるのはインスリンだけ。ほかの血糖に関わるホルモンはすべて「上げる」側
- 副腎は「髄質はアドレナリン、皮質はコルチゾールとアルドステロン」。「ずい(髄)はア」と頭文字で結ぶ
- 「パラソル(日傘)で骨を守る」→パラソルモンはカルシウム
- ガストリンとセクレチンは、分泌される場所の順番(胃→十二指腸)で並べて覚える
分泌器官を入れ替えた選択肢(例:アルドステロンを副腎髄質とする)が典型的なひっかけです。
まとめ
- 血液は「赤血球=酸素、好中球=食作用、リンパ球=免疫、血小板=止血」
- 凝固はフィブリン、凝集は凝集原と凝集素で、別の現象
- 大脳は皮質が灰白質、脊髄は内側が灰白質。呼吸中枢は延髄
- 消化は副交感神経で促進、血糖を下げるのはインスリンだけ
労働生理は、表の縦と横を入れ替えて問われます。「働き→器官」「器官→働き」の両方向で答えられるように演習しておきましょう。