作業環境測定は「どの作業場を」「どのくらいの頻度で」測り、「記録を何年保存するか」の3点セットで問われます。 数字の組み合わせが多いので、表で一気に整理してから、例外だけを覚えるのが近道です。 この記事の数値は、労働安全衛生法施行令21条と各規則の条文(2026年4月1日時点)で確認しています。

作業環境測定を行うべき作業場(施行令21条)

施行令21条には、次の作業場が列挙されています。

  1. 土石・岩石・鉱物・金属・炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場
  2. 暑熱・寒冷・多湿の屋内作業場
  3. 著しい騒音を発する屋内作業場
  4. 坑内の作業場
  5. 中央管理方式の空気調和設備を設けている建築物の事務所の室
  6. 放射線業務を行う作業場
  7. 特定化学物質・石綿等を扱う屋内作業場など
  8. 鉛業務を行う屋内作業場
  9. 酸素欠乏危険場所
  10. 有機溶剤業務を行う屋内作業場

測定頻度と記録の保存年数

作業場 測定対象 頻度 記録の保存
粉じん(特定粉じん作業の屋内作業場) 粉じん濃度 6月以内ごとに1回 7年
有機溶剤 有機溶剤濃度 6月以内ごとに1回 3年
特定化学物質 物質の濃度 6月以内ごとに1回 3年(特別管理物質は30年
石綿等 石綿濃度 6月以内ごとに1回 40年
鉛濃度 1年以内ごとに1回 3年
放射線業務(管理区域) 外部放射線による線量当量率等 1月以内ごとに1回 5年
酸素欠乏危険場所 酸素(第二種は硫化水素も) その日の作業開始前 3年
著しい騒音の屋内作業場 等価騒音レベル 6月以内ごとに1回 3年
暑熱・寒冷・多湿の屋内作業場 気温・湿度(一部はふく射熱も) 半月以内ごとに1回 3年
坑内(炭酸ガスが停滞するおそれ) 炭酸ガス濃度 1月以内ごとに1回 3年
坑内(気温が28℃を超えるおそれ) 気温 半月以内ごとに1回 3年
坑内(通気設備あり) 通気量 半月以内ごとに1回 3年
中央管理方式の空調の事務所 一酸化炭素・二酸化炭素・室温・外気温・相対湿度 2月以内ごとに1回 3年

放射線業務の測定は、放射線装置を固定して使い、使用方法と遮蔽物の位置が一定している場合などは6月以内ごとに1回に緩和されます。 中央管理方式の空調の事務所も、前年1年間に室温・湿度が基準内で推移しているなどの条件を満たせば、室温・外気温・相対湿度の測定を季節ごとに1回にできます。

覚え方のコツ

  • 基本は「6月・3年」。例外だけを覚える
  • 保存年数の例外は「粉じん7年・放射線5年・特別管理物質30年・石綿40年」。発がん性や長い潜伏期間がある物ほど長い、と理解すると忘れにくくなります
  • 頻度の例外は「鉛は1年」「放射線は1月」「事務所は2月」「暑熱・寒冷・多湿は半月」「酸欠は毎日作業前
  • 語呂合わせの例:「鉛は年1、線は月1、事務所ふた月、暑さは半月

作業環境測定士が測定する「指定作業場」

作業環境測定法では、粉じん・特定化学物質(石綿を含む)・鉛・有機溶剤を扱う屋内作業場と、放射性物質を扱う作業室などを指定作業場としています。 指定作業場の測定は、作業環境測定士(または作業環境測定機関)が行います。 一方、騒音・暑熱・酸素欠乏などの測定は指定作業場に含まれていません。

測定結果の評価と管理区分

粉じん・有機溶剤・特定化学物質・鉛・石綿などの測定結果は、第一管理区分〜第三管理区分に評価します。 第一管理区分は作業環境管理が適切と判断される状態、第三管理区分は適切でないと判断される状態で、 第三管理区分になった場所では直ちに点検と改善措置を講じる必要があります。

まとめ

  • 作業環境測定は「6月ごと・3年保存」が基本
  • 保存年数の例外は「粉じん7・放射線5・特別管理物質30・石綿40
  • 頻度の例外は「鉛1年・放射線1月・事務所2月・暑熱半月・酸欠は作業開始前
  • 騒音・暑熱・酸欠は作業環境測定士でなくても測定できる

表を見ずに言えるようになったら、選択肢の数字を一つずつ検証する形の演習で定着させましょう。