作業主任者は、危険・有害な作業の現場で労働者を指揮する人です。 試験では「選任しなければならない作業はどれか」「免許が必要か技能講習でよいか」が繰り返し問われます。 この記事では、労働安全衛生法施行令6条と労働安全衛生規則 別表第一をもとに、衛生分野の作業主任者を整理します。

作業主任者の基本ルール

  • 作業主任者は、都道府県労働局長の免許を受けた者、または登録機関が行う技能講習を修了した者から選任します(労働安全衛生法14条)
  • 選任が必要な作業は事業場の規模(人数)に関係なく、施行令6条に列挙された作業です
  • 選任したら、作業主任者の氏名と行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示するなどして関係労働者に周知します(安衛則18条)

衛生分野の作業主任者一覧

作業 作業主任者の名称 資格
高圧室内作業(潜函工法など) 高圧室内作業主任者 免許
エックス線装置を使う放射線業務(医療用などを除く) エックス線作業主任者 免許
ガンマ線照射装置による透過写真の撮影 ガンマ線透過写真撮影作業主任者 免許
特定化学物質の製造・取扱い 特定化学物質作業主任者 技能講習
鉛業務 鉛作業主任者 技能講習
酸素欠乏危険場所での作業 酸素欠乏危険作業主任者 技能講習
屋内作業場等での有機溶剤業務 有機溶剤作業主任者 技能講習
石綿等の取扱い 石綿作業主任者 技能講習

覚え方のコツ

衛生分野で免許が必要なのは「高圧・エックス線・ガンマ線」の3つだけです。 「圧と線は免許」と覚え、それ以外(化学物質・鉛・酸欠・有機溶剤・石綿)は技能講習と押さえておけば、ほとんどの問題に対応できます。

細かいけれど出やすいポイント

  • 酸素欠乏危険作業は2種類あります。硫化水素中毒のおそれもある第二種酸素欠乏危険作業(し尿・汚水などが入っていた槽の内部など)では、「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習」の修了者から選任します。第一種はどちらの技能講習の修了者でもかまいません
  • 特別有機溶剤(クロロホルムなどの特定化学物質)を扱う作業の特定化学物質作業主任者は、有機溶剤作業主任者技能講習の修了者から選任します
  • 溶接ヒュームを扱う金属アーク溶接等作業の作業主任者は、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習(金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習を含む)の修了者から選任します
  • 試験研究のために特定化学物質を取り扱う作業は、作業主任者の選任対象から除かれています。有機溶剤も、試験・研究の業務は有機溶剤作業主任者の選任対象外です
  • エックス線作業主任者は、医療用のエックス線装置を使う作業は対象外です

選任が不要な作業(ひっかけの定番)

施行令6条に載っていない作業には、作業主任者の選任義務はありません。衛生分野では次のような作業がひっかけに使われます。

  • 粉じん作業(特定粉じん作業を含む)
  • 著しい騒音を発する場所での作業
  • 振動工具を使う作業
  • 暑熱・寒冷な場所での作業
  • 潜水業務(潜水士は免許ですが、作業主任者ではありません)

粉じん作業に作業主任者はいないという点は特に狙われます。 粉じんの対策は、局所排気装置などの設備、作業環境測定、じん肺健康診断などで行われます。

安全分野の作業主任者も少し出る

第一種の関係法令では、衛生分野以外の作業主任者が選択肢に混ざることもあります。 ガス溶接作業主任者・林業架線作業主任者などは免許(ボイラー取扱作業主任者も原則は免許で、小規模なボイラーに限り技能講習でも可)、 足場の組立て等・はい作業・プレス機械・木材加工用機械・乾燥設備などは技能講習です。 衛生分野の対策としては、まず前の表を確実にしてから余力で押さえれば十分です。

まとめ

  • 作業主任者は人数に関係なく、施行令6条の作業で選任する
  • 衛生分野の免許は「高圧室内・エックス線・ガンマ線」の3つ
  • 第二種酸欠は「酸素欠乏・硫化水素」の技能講習が必要
  • 粉じん・騒音・振動・暑熱・潜水には作業主任者の選任義務がない

「この作業に作業主任者は必要か」を一つずつ判断する練習を重ねると、選択肢を見た瞬間に判断できるようになります。