健康診断は、有害業務以外の範囲(一般健康診断)と有害業務の範囲(特殊健康診断)の両方で出題されます。 混同しやすいのは「頻度」「記録の保存年数」「結果報告が必要になる規模」の3つです。 この記事では、労働安全衛生規則と各特別規則の条文をもとに、両者の違いを比較します。
一般健康診断の種類
| 種類 | 対象・時期 | 根拠 |
|---|---|---|
| 雇入時の健康診断 | 常時使用する労働者を雇い入れるとき | 安衛則43条 |
| 定期健康診断 | 常時使用する労働者に1年以内ごとに1回 | 安衛則44条 |
| 特定業務従事者の健康診断 | 深夜業・暑熱・粉じんなどの業務に常時従事する労働者に、配置替えの際と6月以内ごとに1回(胸部エックス線検査は1年以内ごとに1回でよい) | 安衛則45条 |
| 海外派遣労働者の健康診断 | 6月以上海外に派遣するとき・帰国して国内業務に就くとき | 安衛則45条の2 |
| 給食従業員の検便 | 食堂・炊事場の給食業務に就く雇入れ・配置替えの際 | 安衛則47条 |
雇入時の健康診断は、医師の健康診断を受けてから3月を経過しない人がその結果を証明する書面を提出したときは、相当する項目を省略できます。 一般健康診断の結果に基づく健康診断個人票は5年間保存します(安衛則51条)。
特殊健康診断の種類
有害業務に常時従事する労働者には、一般健康診断に加えて特殊健康診断を行います。
| 対象業務 | 定期の頻度 | 個人票の保存 |
|---|---|---|
| 有機溶剤業務 | 6月以内ごとに1回 | 5年 |
| 鉛業務 | 6月以内ごとに1回(一部の業務は1年) | 5年 |
| 特定化学物質業務 | 原則6月以内ごとに1回 | 5年(特別管理物質は30年) |
| 電離放射線業務 | 6月以内ごとに1回 | 30年 |
| 石綿業務 | 6月以内ごとに1回 | 常時従事しなくなった日から40年 |
| 高気圧業務(高圧室内・潜水) | 6月以内ごとに1回 | 5年 |
| 粉じん作業(じん肺健康診断) | 管理区分に応じて1年または3年以内ごとに1回 | 7年 |
| 歯などに有害な物(塩酸・硝酸・硫酸など)のガス等を発散する場所の業務 | 6月以内ごとに1回(歯科医師による) | 5年 |
有機溶剤と特定化学物質(一部を除く)の健康診断は、作業環境測定の評価が3回連続で第一管理区分であるなどの条件をすべて満たすと、1年以内ごとに1回に緩和できます。
覚え方のコツ
- 頻度は「一般は1年、特殊と特定業務は6月」。例外はじん肺だけ1年か3年
- 保存年数は「基本5年」。例外は作業環境測定と同じ発想で「じん肺7年・放射線30年・特別管理物質30年・石綿40年」
- 特定業務従事者の健康診断は「一般健康診断の項目を6月ごと」、特殊健康診断は「その有害物に特有の項目」を調べる、と中身の違いで区別する
結果報告の違い(ここが頻出)
| 健康診断 | 所轄労働基準監督署長への報告 |
|---|---|
| 定期健康診断・特定業務従事者の定期健康診断 | 常時50人以上の事業者のみ |
| 特殊健康診断(定期のもの) | 労働者数に関係なくすべての事業者 |
| 歯科医師による健康診断(定期のもの) | 労働者数に関係なくすべての事業者 |
| 雇入時の健康診断 | 報告義務なし |
「雇入時は報告不要」「特殊健診は人数に関係なく報告」の2点が特によく問われます。
一般と特殊に共通するルール
- 健康診断の結果は、受けた労働者に遅滞なく通知する
- 異常所見がある労働者については、医師(歯科医師)の意見を聴き、必要に応じて就業上の措置を講じる
- 事業者が指定した医師以外の健康診断を受け、その結果を証明する書面を提出する方法も認められている
まとめ
- 一般健康診断の定期は1年、特定業務従事者と特殊健康診断は6月、じん肺は1年か3年
- 個人票は5年が基本で、じん肺7年・放射線30年・特別管理物質30年・石綿40年が例外
- 定期健康診断の報告は50人以上、特殊健康診断の報告は人数に関係なく、雇入時は報告不要
数字の似た選択肢を見分けるには、表を丸暗記するより「一般か特殊か」を先に判断するのがコツです。演習でその判断を繰り返しておきましょう。